エリちゃん
わんこ先生
犬もストレスを感じるの?
ストレスというのは、外部からの刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
犬の外部からの刺激とは、
- 環境的要因(暑さ寒さ・騒音・不衛生など)
- 身体的要因(睡眠不足・運動不足・病気による痛みなど)
- 心理的要因(不安・恐怖・寂しさ・嬉しさなど)
- 社会的要因(飼い主との関係・犬同士の関係など)
この4つの刺激を受けていると考えられます。
※心理的要因の嬉しさというのも、刺激になるのでストレスの原因になります。
ストレスを受けても、本来はその刺激に対して体は一定の状態を保とうとする(恒常性・ホメオスタシス)機能が備わっているので、通常なら対応して受けたストレスを跳ね返す力を持っています。
ストレスを感じると、体の中ではストレスと闘うために、アドレナリンやドーパミン、コルチゾールが分泌されて、血流を促したり、意欲を向上させたり、体温や心拍数を上げて交感神経を活発にさせて対抗しようとします。
ただご存知の通り、ストレスが強すぎたり長期間にわたったりすると、交感神経が優位になり過ぎて自律神経のバランスを崩してしまうので自律神経が失調することがあります。
また、コルチゾールが慢性的に分泌されてしまうと、体の免疫力を下げてしまうので病気になりやすくもなります。
犬も人間と同じように、自律神経があって体のバランスを調整しているので、外部からの刺激に対しては人間と同じように働いてしまい、強いストレスによって自律神経が失調し心身を病んでしまうことがあります。
あなたもご経験があると思いますが、ストレスを感じると気分が落ち込んだり、食欲がなくなったり、夜に眠れなくなったりという症状があらわれます。
ただ、この時点ではまだ心の病気になっているわけではなく、ストレスサインが出ている状態なんですね。
このようなサインが出ているにもかかわらず、状況が改善されずにストレスを受け続けていると、そのうち心も体も悲鳴を上げて調子を崩し、心の病気や体の病気にかかってしまいます。
この仕組みも人間と一緒で、犬もストレスを受けるとストレスサインを出し、それでも状況が改善されずにいると心のバランスが崩れて行動を自分で制御できなくなり、心の病気になってしまいます。
犬は自分で状況を改善することができないので、飼い主さんが気づいて改善をしてあげるしかありません。
飼い主さんが犬のストレスを放置していると心の病気になり問題行動に繋がるということを覚えておいてください。
エリちゃん
わんこ先生
犬がストレスを感じるのはどんな時?
犬もちょっとしたストレスなら跳ね返せる力を持っていますが、心の病気になってしまうほどのストレスを感じる時があります。それが
- 飼い主との関係が崩れたとき
- 本能を理解しない飼い方をされている時
- 体に苦痛を感じている時
もちろん先ほどご紹介した環境的な要因を長く受け続けてしまうことでも心の病気になることもありますが、犬を飼っている以上環境を整えてあげるというのは当然のことなので、その解説は省略します。
非常に大切な部分なので1つ1つ詳しく見ていきたいと思います。
飼い主との関係が崩れたとき
- 間違えたしつけをしている
- 安心して飼い主さんに頼れない など
犬が飼い主さんのことを信頼できておらず、正しい主従関係が築けていないため、頼れるリーダーが認識できていません。
<具体例>
- 飼い主さんが感情的に接している
- よく叱ってしまう
- 家族間で喧嘩が多い(不仲)
- いつもべったりくっついている(離れている時間が短い)
- 飼い主の気分によって犬への態度が変わる
- 一貫したしつけをしていない
- 威嚇(吠える、唸る)をすると要求が通る
犬が持続的にストレスを感じて心の病気にまでなってしまうケースが最も多いのが飼い主さんとの関係が正常でない場合です。
でも、正直に申し上げると「分かってはいるけどどうしたら良いのか具体的にわからない」「やっているつもりなんだけど上手くできない」と悩まれている飼い主さんが多いようです。
プロの力を借りようと思って、しつけ教室に通ったり出張訓練を頼んだりされる方も多いですが、しばらくすると元に戻ってしまうというご相談を本当に良くいただきます。
訓練士さんに「犬になめられてはいけない」「犬の方が順位が上だと思われてはいけない」というアドバイスがあったので、犬に対して厳しく接して人間がリーダーだと教えているんだけど、ちっともいうことを聞かないというお話も良く聞きます。
でも、これこそが「間違ったしつけ」なんですね(´・ω・`)
とても残念なことに、訓練士さんの中にも犬には上下関係を教えないといけないと誤解されている方が結構おられます。
犬に教えないといけないのは上下関係ではなく、「飼い主さんは信頼できる人で自分を守ってもらえる存在で頼れる人なんだ」と犬に自主的に思ってもらえるような関係を築くことです。
飼い主さんを信頼できるから「飼い主さんの指示に従っていれば安全」だと考え、自分のしたいことよりも優先して飼い主さんの指示に従いますし、「飼い主さんのことが大好き」と思うので飼い主さんが喜ぶ行動がとれるようになるんですね。
上下関係を教えるのは、ある意味「恐怖を感じさせて従わせている」ようなものです。
恐怖を感じる相手のことを心から信頼したり、大好きだなんて思わないというのはお分かりいただけると思います。
間違えたしつけをしていると、どんどん犬との関係を崩すことになり、信頼もされずに、犬にストレスを与え続けることになります。
これでは飼い主さんが、愛犬を心の病気にしてしまっていると言っても過言ではありません。
犬にストレスを与えずに、信頼関係を築いて、理想的な関係を作り上げるには、正しいしつけの方法を知ることしかありません。
ご相談くださる飼い主さん達はみなさんとても真剣で、一生懸命で、犬を愛していらっしゃる方達ばかりです。
でもうまくいかないのはなぜか…?
やり方を知らないだけなんですね。
とはいえ、犬のしつけというのは、トレーニング方法を知るだけでは正しい関係を築くのが実際は難しいです。というのも、私たちは人間目線で犬を理解したつもりになっていることがけっこうたくさんあるからです。
飼い主さんの誤解を直して、犬との正しい接し方を知っていただき、さらにトレーニング方法となると情報が膨大になってしまうので、私はご相談いただいた方にはイヌバーシティというしつけ術をご紹介しています。
これが大変評判がよいので、もしもあなたが正しいと思えるしつけ方法を実践できていなかったり、犬に問題行動が現れ始めていたり、子犬を飼い始めた方だったらおすすめしたいと思います。
飼い主さんとの関係を正常にして、犬から信頼される正しい主従関係を築くことは愛犬のストレスを解消してあげる一番の解決法です!
もちろんイヌバーシティじゃなくても、正しいしつけ方法であれば全然問題ありません。
ただ、イヌバーシティはちょっと別物と言えるくらい強力で、しつけを短期間で終わらせて、愛犬から少しでも早く信頼され飼い主さん大好きと思ってもらいたいなら実践された方が良いと思います。
イヌバーシティが一つあれば、今後愛犬のしつけに困ることはありません。
少しでもご興味を持っていただけたら、下の記事をご覧になってみていただければと思います。
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本能を理解しない飼い方をしている時
- 知らない怖いものがたくさんある(社会化不足)
- 本来の犬らしい行動がとれない
外の世界に触れた経験が少なく必要以上に恐怖を感じたり、犬が生まれながらに持っている本能からくる欲求を適切に満たせない状態です。
<具体例>
- 環境が変わった
- 運動不足または過度な運動
- 長時間の留守番をさせる
- 怖がって吠えたときでも厳しく叱る
- 苦手なことを無理矢理させる
- 吠えるるととにかく黙らせようとする
- 遊ぶ時間が少ない
- 適切な食餌や水が与えられていない など
子犬の頃の社会化が不足していたり、成長してから無理矢理に苦手なことに慣れさせようとすると、犬は恐怖心を抱いたり、過敏に反応して怯えるようになります。
また、犬という動物を正しく理解ができていないため、しつけと勘違いして犬に言うことを聞かせようとしたり、厳しく接することで、犬は大きなストレスを感じます。
犬にとって運動と愛情は大きな欲求になりますが、もっと運動がしたいのに運動ができていなかったり、飼い主さんがかまってくれなくて愛情が不足している時も慢性的にストレスがかかるようになります。
不足しないようにと思って、飼い主さんが自転車に乗ってとにかく犬を走らせるといったお散歩も過度な運動になったり、心に心地よい刺激を受けられない散歩になりますし、愛情もとにかくスキンシップをとろうとしていつまでも犬をなでているといった過度の表現も犬にとってはストレスに感じます。
なんでも、足りなくても多すぎてもダメなんですね。
これには、先ほどもお話ししましたが犬を正しく理解して、飼い主として正しく接する必要があります。
イヌバーシティはトレーニングの方法も犬と信頼関係を築くことを重視したトレーニング方法を使っているというのも最短でしつけをするための大きな魅力ではありますが、犬に関することもしっかりとコンテンツとして用意されています。
社会化のさせ方や吠える・噛む犬とのトレーニングや犬との遊び方など、犬の本能を満たしながら正しく飼ってあげられるようになりますので、犬のストレスがどんどん減っていき犬が生き生きとした表情に変わってきます。
本来の犬らしい行動がとれないというのは、本能を捻じ曲げてしまっている状態なので多大なストレスとなります。
あと、去勢や避妊をしていない場合、性的欲求を満たせないことも子孫を残すという大切な本能が満たせていない状況なので発情するたびにストレスを受けます。
体に苦痛を感じている時
- 断続的な痛みやかゆみがある
- 病気による体調不良がある
病気やケガなどで体に痛みやかゆみなどの苦痛を感じている、視力が弱くなってうまくまわりのものが見えないなど、病気や後遺症を感じているとストレスになります。
<具体例>
- 皮膚病からくる体のかゆみ
- 脱臼・骨折・関節炎などの痛み
- 病気による下痢や便秘などの排泄異常
犬も、体調不良や痛み・かゆみが続く状態になるとストレスを感じます。
骨折や関節炎などでうまく歩けなかったりすることで、必要な運動もできなくなり、痛みにプラスして運動不足のストレスを感じることもあります。
見た目や症状からすぐにおかしいと判断できる場合は動物病院に連れて行かれると思いますが、飼い主さんには判断しにくい疾患というのもたくさんありますので、定期的な健康診断や毎日のケアによる健康チェックは欠かさないようにしてください。
また、急に吠えたり噛むようになった、寝ていることが多くなった、夜泣きをするようになったなど、一見関係のない行動に思えることでも、病気や痛み・痒みが原因のこともあるので一応獣医さんに見てもらったほうが良いと思います。
エリちゃん
わんこ先生
これでバッチリ!犬のストレス解消法
現在溜まってしまっている愛犬のストレスを解消する方法をご紹介していきますが、その前に…。
いくらストレス解消の方法を知ったとしても、適切にしつけをして信頼関係を築き、犬を正しく飼ってあげられる環境に整えないと、犬のストレスは消えることはありません。
犬のストレス解消法の一番大切なポイントは、「正しいしつけ方法を知って実践する」ということです。
- トレーニングを通して信頼関係を深める
- 主従関係を築いて安心して暮らせるようにしてあげる
このように飼い主さんとの関係を向上させることができれば、たいていのことではストレスを感じなくて済むようになります。
多少怖いことがあっても、驚いてしまうことがあっても頼れる飼い主さんが近くにいてくれれば安心できますし、すぐに心が安定するので過度なストレスになりません。
愛犬のストレスの耐性も高めることができるんですね。
愛犬のストレスが心配だと思われるのなら、先ほどの記事をご覧いただいて、イヌバーシティの実践をご検討いただければと願っています。
飼い主さんとの関係を向上させることと並行して、今現在溜まってしまっているであろう犬のストレスを解消する方法をご紹介していきたいと思います。
まず基本は愛犬をストレスの対象から遠ざけることです。
環境を改善すればよいことであれば改善をしていただいて、怖いと思っている物があったら犬からは見えないところに移動していただく。
でも、家族が増えた・減った、新しく犬が増えた、引越しをしたなど、改善しようがない場合もあるでしょう。
その時は徐々に慣らしていくようにし、決して無理強いしたり、犬のペースを乱すことがないように気をつけてあげてほしいと思います。
犬のストレスを解消するためには「犬の本能を満たす」ことを意識してください。そのポイントとして
- 愛情欲求を満たす
- 噛みたい本能を満たす
- 嗅ぎたい本能を満たす
- 探索したい本能を満たす
- 体を動かしたいという本能を満たす(運動欲求)
- 頭を動かしたいという本能を満たす(知的欲求)
この6つを遊びを通して満たしてあげることで愛犬のストレスを解消することができます。
愛情欲求を満たす
夜のリラックスタイムなどに、飼い主さんもゆったりした気持ちで愛犬と適度なスキンシップをとることで、犬は飼い主さんからの愛情を感じますので心が安定していきます。
犬にもツボがあるので、リラックスできるツボを押すなども効果が高いです。
ただ、スキンシップと言っても、ずーっと撫でられていたり、触られていることはあまり好みません。犬が傍から離れたら、満足したのかな?と思って見守るようにしてください。
あと、飼い主さんがリラックスをする場所(例えばリビングなど)に、犬のベッドを用意して、愛犬の居場所(パーソナルスペース)を作ってあげておくと、犬は近くに飼い主さんを感じながら自分の場所で安心してくつろぐことができます。
噛みたい本能を満たす
犬には噛みたいという本能があります。
これは室内で、引っ張りっこ遊びをすることで満たしてあげることができます。
引っ張りっこ遊びというのは、噛みたい欲求を満たすだけでなく、犬の狩猟本能も刺激する遊びで、引っ張りっこ遊びが好きな犬は、遊んでいる最中に興奮しやすいです。
それに犬がくわえている縄を無理に取り上げようとするとムキになったり、取り上げられないように攻撃的になることもあるので、正しい引っ張りっこ遊びのやり方を知ってから行ってもらいたいと思います。※イヌバーシティでは引っ張りっこ遊びのやり方を実践解説してくれています。
その他に、いつでも噛みたい時に噛めるように、丈夫なガムやちょっとやそっとでは壊れないおもちゃを用意しておいてあげてください。
いつも同じものが置いてあると犬も見慣れて飽きてしまうので、たまに変えたり、忘れたころに前のおもちゃを用意してあげるなど変化をつけて飽きさせないようにすることも大切です。
このおもちゃというのは、犬との遊びの時間に飼い主さんが管理しているおもちゃとは別のものです。
遊びの時間に使うおもちゃは、犬が勝手に持ちだして遊べるような保管はしないようにしてください。
犬によって好きなおもちゃのタイプが違って、音が出るおもちゃがお気に入りな子やボールが好きな子、ふわふわのぬいぐるみが好きな子など、おもちゃの種類によって遊びへの関心が変わりますので数種類用意しておいてあげると良いでしょう。
嗅ぎたい本能を満たす
「宝物探し」は、飼い主さんが隠したおもちゃなどを犬に探させて持ってこらせるという遊びなんですが、最近はノーズワークという犬のスポーツとしても行われています。
おもちゃやフードなどを色々なところに少しずつ隠して、犬はそのにおいを嗅ぎながら見つけていくというものですが、激しく体を使わなくても済むので広い場所が必要がないということで保護犬や高齢犬のストレス解消としても行われているそうです。
部屋中を嗅ぎまわられるのは困るという場合は、ノーズワークマットというのも売られています。※Amazonや楽天で「ノーズワークマット」で検索していただくとたくさん出てきます。
お散歩で好きなようににおいを嗅がせてあげると、他の動物の尿や便に触れて感染症になってしまう恐れがあるので、お散歩中はなるべくにおいを嗅がせたくないということもあるでしょう。
遊びやトレーニングの時に、ノーズワークを行って嗅ぎたいという本能を満たしてあげることができるので、ぜひ行ってみてもらいたいと思います。
探索したい本能を満たす
ボールを投げて持ってこらせる「もってこい遊び」などは、犬の探索したい本能を満たせる遊びです。
ボール遊びをするボールを選ぶときですが…
ドッグランなどで赤いボールを投げたら、犬が見失って探せなかったという経験はありませんか?
犬の目は赤と緑を見分けるのが苦手です。
犬の目にはっきりと見えるのは青と黄色ですので、ボールを選ぶときは青や黄色のものを選ぶようにしてあげてください。
ダックスフンドやビーグルなど、小さい動物の巣穴をほって獲物を見つけるために改良された犬種は特に、穴を掘るのが好きな子もいます。
広いお庭があって、一か所を犬が掘っても良いエリアにできるような環境でしたら、たまに思い切り穴を掘らせてあげる時間を作ってもらうと良いでしょう。
お庭がない場合でも、大きな段ボール箱に新聞紙を裂いたものをたくさんいれて、それを掘らしてあげるという方法もあります。
ボール遊びや穴掘りは探索したい本能とともに、狩猟本能も満たしてあげることができるので、遊びのバリエーションに取り入れてもらいたいと思います。
体を動かしたいという本能を満たす
お散歩を工夫したり広いところで思いっきり走らせるなどは、犬のストレス解消に最適な方法です。
お散歩の工夫というのは、いつも同じコースを歩くのではなく色々とコースや距離を変えるという方法が有効です。
転機の良い日などは、いつもよりも1.5~2倍くらいの距離を歩いてみたり、いつも行く公園よりも遠くの公園に行ってみると、体に良い刺激を与えることができます。
週に一回くらいはドッグランで思いっきり走らせてあげるのも良いでしょう。
他の犬と一緒なのは心配という場合には、アジリティの施設などを借り切って運動させてあげる方法もあります。
日ごろのお散歩と、週一度の外遊びで十分に体を動かせる環境を作ってあげると、たまったストレスが気持ちよく解消することができます。
また、水遊びが好きな犬には、機会を作って水遊びをさせてあげるのも良いでしょう。
体を動かしたいという本能を満たすことは、活発な犬や豊富な運動量が必要な犬には効果てきめんです。
ただし、お散歩の時にリーダーウォークができておらず、ぐいぐいと飼い主さんを引っ張って歩いてしまっている場合は、いくらお散歩をしても心地よい運動にはなりません。
飼い主さんを邪魔な存在と考えてしまいますし、前へ前へ行くことだけに集中してしまうので、犬にとって心地よい運動にはならないんですね。
かえってストレスを溜めてしまうお散歩になってしまいます。
リーダーウォークができていない場合は、まずはリーダーウォークでお散歩ができるようにトレーニングするところから始めてください。
リーダーウォークのやり方については、イヌバーシティ内で詳しく解説をされているので、そちらを見ていただければすぐに正しいリーダーウォークができるようになります。
ぜひ先ほどの記事からご確認ください。
頭を動かしたいという本能を満たす
犬は人間から与えられた役割をこなすために、どうすればいいのか頭を使って行動をしていました。
現在では、警察犬や麻薬探知犬、レスキューに参加する犬などの一部を除いて、一般家庭で飼われている犬たちは頭を使うことが少なくなっています。
しつけやトレーニングというと子犬の頃にやるものと思いがちですが、成犬になってもトレーニングを通して頭を使わせてあげて、できたことに対してしっかり褒めてあげることが大切です。
家庭犬のトレーニングというのは、トレーニングではあるけど警察犬の訓練とは違って、遊びの一環としてもできるようなものなので、毎日行うことで犬の知的欲求も満たしてあげてください。
また、新しい景色を見せる、違う環境の空気を吸うなども知的欲求を刺激することができます。
お休みの時は愛犬とお出かけをして他の町を歩いてみたり、山や海に連れて行って自然の空気を思う存分吸わせてあげることも犬の本能を満たす効果が高いです。
【お留守番をさせる時の工夫】
頭を動かしたいという本能を満たしつつ、楽しくお留守番をしていてもらうために、知育玩具が大変重宝します。
知育玩具というのは中にフードやペースト状のおやつなどを入れて、転がしたり工夫をしながら中のフードを出して食べるおもちゃですが、素材や難易度など色々な種類のものが売られています。
お留守番の時間にもよりますが、違うタイプの知育玩具を数種類用意して置いておくと、飽きずに工夫をしながら遊べるのでおすすめです。
解消すべきストレスを感じている時の10の症状
ストレスは、体の疾患と違って飼い主さんが見てもすぐにわからないことも多いものです。
しかも「ストレスがたまっている気がする~」と言葉で訴えてもくれませんので、ストレスを溜めているのか判断をするのが難しいかもしれません。
ですので、犬が解消すべきストレスを感じている時に出す10個の症状をご紹介しておきます。
- 飼い主が出かけようとすると騒ぐ
- 留守中にだけ粗相をしたり物を壊す
- 体の一部分の毛が抜ける
- 食べる量が減る
- 病気ではないのに吐く
- 吠える・威嚇する・噛むなどの攻撃的な行動をとる
- 自分のしっぽを追いかけ続ける
- 同じ場所を舐め続ける
- 何かを追いかけるしぐさをする
- 体が震えるまたはこわばる
もしも、あなたの愛犬がこれらのような行動をとるようになったら、もしかしたらけっこうストレスが溜まっていて、できるだけ早くストレスを解消できるようにしてあげる必要があるかもしれません。
飼い主さんがこれらの症状を見落として、何もしてあげないでいると犬はどんどん心の病気になってしまい、さらに問題となる行動をするようになります。
「もう少し様子を見よう」と思っている時間も、放置をしていることと同じです。
それと同時に、犬と飼い主さんの間で適切な信頼関係が築けていない・犬を理解できていない・正しいしつけが行えていない可能性も非常に高いと言えます。
この状態になってしまったら、勝手に治ってくれることはまずないので、行動を悪化させないためにも飼い主さんがすぐに行動をしてほしいと思います。
どうしたら良いのかやり方が具体的にわからないという場合は、イヌバーシティがあれば安心です。
カーミングシグナル・犬のストレスサインとは?
犬は不安やストレスにさらされるとサインを出します。
平和主義の犬はサインを出すことで無用な争いを避けようとしてきました。このサインは言わば犬同士の知恵とも言えます。
群れの中で争いが起きることは避けたいことですし、争いでケガを負ってしまったら、敵が来ても逃げられないし食料の確保も難しくなるという死活問題になります。
ですから、犬同士で争いが起きないように自分を落ち着かせたり、相手をなだめたりするサインを出して、困った状況や嫌な状況を無くすために努力をしています。
飼い主さんとしてこのサインを見逃さずに気づいてあげられると不要なストレスから守ってあげることができます。
例えば、興奮している時に自分を落ち着かせるためのしぐさをしたら、何に興奮しているのか?何か嫌なものがあるんじゃないか?と予測することができます。
ただ、そのサインというのは、犬が何もない時にする生理現象でもあるので、見分けるのが難しい部分でもあるんですね。
ですので、サインとして実際にとる行動と合わせて、どんな時に出やすいかをご紹介しますので、犬が置かれている環境と合わせてご判断いただければと思います。
- 体を掻く・舐める<物音に驚いた・窮地に陥った>
- じっと固まる<知らない人や犬がちかづいてきた・苦手な手入れをされている>
- あくびをする<慣れない環境にいる・緊張する場面に置かれた>
- 背中を向けて座り込む<不安な気持ちになった・無理強いされた>
- 鼻をなめる<知らない人に囲まれた・緊張がピークに達した>
- フセをする<ケンカを避ける・興奮した相手をなだめる>
- ノロノロ動く<飼い主が興奮している・怒っている相手に呼ばれた>
- 視線をそらす<相手が怒っている・ケンカを避けたい>
- しっぽをゆっくり振る<何かをやめさせたい・居心地が悪い>
- 突然地面のにおいをかぐ<苦手な相手が通りかかった・ケンカを避けたい>
見ていただいて分かる通り、思った以上にわかりにくい行動だと思います。
でもこのサインを見逃してしまうと、犬が何に対してストレスを感じているのかわからないので、犬が出してくれる大事なサインでもあります。
例えば、あなたが愛犬を叱っている時に犬がカーミングシグナルを見せたら、それ以上は叱ってはいけないということです。
外にいるときなどにカーミングシグナルを行っていたら、居心地が悪いと思っているので、早めに環境を変えてあげる必要があります。
他の犬や人といる時に、しきりに鼻をなめていたら臆病な性格か、社会化が不十分であることが考えられます。
このように、置かれている環境と犬のしぐさから「もしかしたら?」と考えて行動してもらうと、不安やストレスから守ってくれた飼い主さんをさらに信頼するようになります。
愛犬をストレスから守るためにも、カーミングシグナルを是非見落とさないでいただければと思います。
犬のストレス解消法~最後に
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
犬とストレスとその解消法についてみてきましたが、犬を取り巻く環境というのはいつもめまぐるしく変わっています。
おばあちゃん世代が小さいころと今とでは、犬の飼い方も、考え方も、接し方も全く違うものです。
4,50年の間に、犬に求めているものも、当たり前の環境も180度変わった部分もあります。
番犬として外飼いされることが多かったのに、室内で飼うことを推奨されるようになったのもその1つです。
吠えてはいけない・走り回ってはいけないなど、犬の本能を捻じ曲げなきゃいけないような環境とも言えるんですね。
多くの家庭犬が、昔よりも空調が管理された快適な室内にいられるので、より良い環境で飼われるようになりましたが、それと同時に犬は人間の生活によりなじまなくてはいけなくなったので、ストレスに感じることも増えています。
犬の本能を満たして溜まったストレスを解消してあげることは必要なことなんですが、新たなストレスを溜めないようにしてあげることも飼い主さんとして重要なことです。
特に心の病気になってしまうほど犬にとって大きなストレスになるのが、飼い主さんとの関係です。
飼い主さんを信頼し、頼りになり、大好きだと思える関係を築いていっていただくことは、愛犬のためであり、同時に楽しい愛犬ライフを送れる飼い主さんのためであるとも言えます。
犬を正しく理解し、考え方や接し方を知ることで、自信を持って愛犬を導いてあげることができるので、ぜひその正しい方法を知って実践していただければと思います。
日本中の犬と飼い主さんが、ストレスなどでお困りにならないことを切に願っていますm(__)m