エリちゃん
わんこ先生
飼い主に威嚇する犬への根本対策法
とてもかわいがっているのに、愛犬から突然威嚇をされたら、驚いてしまうと同時に悲しい気持ちになってしまうのではないでしょうか。
犬が威嚇をするのは「警告をしている」段階です。
飼い主さんに対して威嚇をするということは、飼い主さんに受け取ってほしいサインを出していると考えていただいて、冷静に対応していただきたいと思います。
犬としては、威嚇をすることで警告をしているにもかかわらず、飼い主さんの行動が変わらない場合、今度は吠えたり、噛むといった攻撃行動をとる可能性が高いです。
犬が威嚇をする理由や威嚇をする理由の探り方についてはあとで詳しくご紹介していきますが、犬に威嚇をされない飼い主さんになるために根本的な対策法を知っていただきたいと思います。
愛犬に威嚇をされない飼い主になるために必須なことは
- 犬と正しく信頼関係を築く
- 犬という動物を正しく理解する
- 社会化を進めていく
この3つは、威嚇をされない飼い主になるためにも必須ですが、犬を飼っている以上飼い主として当然やっていかなければならないことです。
私たちは、「犬のしつけ」とひとくくりで考えてしまいますが、犬のしつけをするには信頼関係を築くことと犬を正しく理解することができていないと正しい犬のしつけはできません。
犬のしつけと言うと、トイレや待てなどのコマンドに従えるようにすること、リーダーウォークなどなどのトレーニングをすることだと思われる飼い主さんもいらっしゃいます。
犬に対するこれらのトレーニングは、犬と信頼関係を築くための手段の一つと考えていただいた方が良いですし、犬のしつけはトレーニングができるようになることだけではありません。
犬を「正しい行動ができる犬」にしつけをするためには、犬と信頼関係を築いて犬を正しく理解することができていないと、トレーニングがただの芸になってしまったり、飼い主さんが威嚇やその他の問題行動を起こす原因を作ることにもなってしまいます。
愛犬に威嚇をされたり噛まれたりしてしまうと、飼い主さんは精神的にも肉体的にもダメージを受けますが、それと同時に攻撃をした犬もかなり大きなダメージを受けています。
犬も飼い主さんも双方がダメージを負ってしまわないように、上記のことを踏まえて1つ1つ解説をしていきたいと思います。
犬と正しく信頼関係を築く
本来は主従関係と表現したいのですが、主従関係というと誤解をされる危険があるので信頼関係という表現にしました。
犬をしつけるというのは、飼い主さんの言うことを聞かせるためではなく、犬が飼い主さんを頼れる存在だと認識して、安心して生活を送らせてあげるために行うものです。
飼い主さんは、愛犬に危険が及ばないようにいざというときに犬の行動をコントロールできなければいけないですし、お互いが清潔な環境で快適に暮らせるように教えることもあります。
また、安心して飼い主さんに身を預けられるようにもしておかないといけません。
動物に対しては、痛みや恐怖を与えてコントロールするやり方もあるでしょう。
サーカスの猛獣使いはムチを使って芸を教えていますし、象使いも(詳しくはないですが)ブルフックという道具を急所に刺してコントロールしているのだとか…
でも、痛みや恐怖で支配して犬をコントロールしたとしたら、犬から信頼を得ることはできませんし、犬から嫌われてしまうことでしょう。
パワハラをする相手に愛情を感じたり、喜んで従いたいとは普通は思いません。たいていは嫌悪や憎悪の感情が起こると思います。
家族の一員だと思って一緒に暮らしている愛犬に対して、痛みや恐怖のしつけを行うことは考えられないと思っていただけると思います。
犬と信頼関係を築くためには、信頼関係を築くことを目的としているトレーニングを行っていくとスムーズに強い信頼関係を結ぶことができます。
犬のトレーニングの方法というのは、色々な方法があることはご存知ですよね。
トイレのトレーニング一つをとっても、ちょっとネットで調べるだけでいくつもの方法を見つけることができます。
ただ、このトレーニング方法がとても重要で、ただ教えるだけじゃなくて信頼関係を築いていけない方法だったら、犬の気が向かないとしないとかおやつが無いとしないという結果になります。
まずは、犬とは信頼関係を築くことを目的としているトレーニングをしながら、しっかりと信頼関係を築いていくことが重要だということを覚えておいてもらいたいと思います。
犬という動物を正しく理解する
犬と信頼関係を築くことと同じくらい欠かせないのが、犬を正しく理解するということです。
犬に威嚇される飼い主さんというのは、犬を擬人化して解釈をしてしまう傾向にあることが多いんですね。
人間目線で、人間の考え方で「こうなの?」と考えてしまうことで、犬の本当の気持ちや出しているサインを読めずに、知らずに犬を追い詰めてしまっています。
犬の本能や犬社会のルールというのは、私たち人間からしたらわかりにくいものだったり、誤解しそうなことがたくさんあります。
犬は本来とても平和主義な動物なので、できれば闘争は避けたいと考えて何らかのメッセージを伝えようとしていますが、飼い主さんがそのメッセージを誤って受け取ってしまったら、犬はもう伝える術はありません。
愛犬が飼い主さんに威嚇をしたときは、犬が必死にサインを出して飼い主さんに訴えているときです。
そのサインを正しく受け取るためにも、また犬に謝ったしつけをしないためにも、犬という動物を正しく理解する必要があるんですね。
犬と正しく信頼関係を築くことと、犬という動物を正しく理解することはセットで、犬のしつけにとっては必須なものです。
車の教習所で、実際に車を動かす方法を横に教官を載せながら行う実地訓練と、車にまつわる法律や事故を起こさないために大切なことを教えてくれる講習がセットになっていることと同じです。
両方が絶対に必要なんですが、しつけの教室や出張訓練というのは実地訓練しか教えてくれない所が多いです。
しつけ教室によっては、お教室で犬についての理解を深める講習をしてくれるところもあるようなので、しつけ教室に通われる際はそのようなお教室をお探しになったほうが良いでしょう。
でも、なかなか近くに良いしつけ教室がなかったり、お教室に通う時間がない、家族みんなで飼っているなど、教えてもらえる場所や時間がないという方のほうが多いと思います。
そんな飼い主さんには、イヌバーシティというしつけ教材がおすすめできます。
ポイントとしては、犬と正しく信頼関係を築くことと、犬という動物を正しく理解することについてのコンテンツが両方ともかなりしっかりしていることと、トレーニング方法が信頼関係を築くことを目的としている方法であることです。
イヌバーシティにご興味を持っていただけたら、下の記事で詳しくご紹介していますのでご覧いただければと思います。
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犬を正しく理解し、犬のサインを見逃さないことでどのような気持ちで意思表示をしているのかがわかったら、対処の仕方も間違わずに済みます。
飼い主に威嚇をする犬への根本対策としてこの2点は非常に大切なので、ぜひ間違った解釈をなさらないように正しい犬の飼い方を知っていただきたいと思います。
社会化を進めていく
飼い主に対する威嚇と犬の社会化の接点は?と思われたかもしれませんが、犬は社会化ができていないと怯えやすくなります。
犬の社会化不足に関しては下の記事をご参考くださいm(__)m
社会化というと、子犬の時に行うものという認識が強いかと思いますが、確かに子犬の時の社会化はその後の犬の人生(犬生?)に重要なことなので進める必要がありますが、子犬の時だけでは経験できないこともたくさんあります。
あとでご紹介する威嚇する理由でお分かりいただけると思いますが、犬は知らないことに対しては、強く警戒しますし、臆病にもなります。
警戒や臆病な心から威嚇の行動になるケースも多いので、できるだけ社会化を進めて怖いものを減らしておいてあげることも大切です。
犬の社会化を進めることは、成犬になってからも心がけてもらいたいことの筆頭ですので、怯えやすい犬にしないためにも社会化を進めることを心がけてもらいたいと思います。
エリちゃん
わんこ先生
飼い主に威嚇する原因の探り方
これから飼い主に威嚇する理由を見ていきたいのですが、その前に飼い主さんに威嚇する理由の探り方についてご紹介しておきたいと思います。
犬が飼い主さんに威嚇をするのは、「攻撃はしたくない!気付いて!」というメッセージです。
犬が飼い主さんに威嚇をする理由はいろいろな理由があるので、どんなメッセージなのかを飼い主さんがしっかり受け止めてあげないと、その後の対処法が間違えてしまいます。
正しくサインを受け止められるように、探り方をご紹介しますので冷静に観察をしていただければと思います。
判断するポイントは
- どのような状況で威嚇をするのか
- 威嚇している時の犬の様子は?
- 過去に威嚇された時に飼い主さんが取った行動は?
- その時の犬の反応はどうだったか
- 過去にトラウマとなるような経験をしなかったか?
- 現在かかっている可能性のある病気はないか?
これらは、獣医師が行動治療を行う際に、犬がどんな動機で攻撃行動に出るのかを診断するときに、飼い主さんに質問する内容にもなっています。
犬が飼い主さんに威嚇をする理由というのはいくつかの種類があり、飼い主さん以外(他の人や犬)に威嚇をする理由になるとさらに種類が増えます。
犬に「どうしたの?」と聞いたら答えてくれればいいですがそれができないので、犬が威嚇をする様子やタイミングなどから間違わないように判断しなければなりません。
そこで、判断を間違わないようにこれらの様子から、どうして威嚇をするのか予想をしていかないといけないんですね。
それでは、この判断ポイントを覚えておいていただき、犬が飼い主に威嚇をする理由を見ていきたいと思います。
犬が飼い主に威嚇をする理由
犬が飼い主に威嚇をする理由を大きく5つに分けました。
- 恐怖によるもの
- 優位性を示したい
- 要求を通したい
- 守ろうとしている
- 痛みがある
威嚇をするときには唸り声をあげることが多いです。
上記の5つの場合も唸り声をあげるケースが多いですが、威嚇ではなくても犬は唸り声をあげることがあります。
威嚇ではないので5つの中に入れなかったのですが、犬は楽しくて興奮している時にも唸り声をあげることがあります。
遊びが楽しくて楽しくて興奮が抑えられずに、唸ってしまっている状態なので、この場合の唸りは威嚇ではありませんし、全く問題がありません。
遊びが楽しくて興奮して唸ってしまうのは、社会化不足で遊び方を知らなかった可能性があるとおっしゃる方もいますが、社会化が不足していない犬でも唸ることがあるので、社会化不足が原因ではないと思います。
例えば、猟犬として活躍してきた犬種は引っ張りっこ遊びなどは狩猟本能が刺激される遊びなので、嬉しくて楽しくて興奮して唸りながらロープを引っ張ることがあります。
この場合は、遊びを中断する必要もありませんし、唸るのをやめさせようとしないで遊んであげてください。
ただ、引っ張りっこ遊びのような本能を刺激する遊びは、遊びに取り入れてもらいたいのですが、あまり長時間してしまうと、興奮がストレスにもなってしまうので適度な時間で切り上げたほうが良いです。
犬との遊びは、とても大切で信頼関係を築くのにも必要なことで、イヌバーシティでは犬との遊びだけで1つのコンテンツを用意しているほどです。
今まであまり愛犬との遊びを重要視していなかった飼い主さんや、いざ遊べって言われてもどうしたら良いかわからないと思われる方は、イヌバーシティをご覧いただくと良いかもしれません。
犬が威嚇で唸っている時と、楽しくて唸っている時の見分け方ですが、だいたい表情を見ればお分かりになるかと思いますが、威嚇をしている時は鼻のあたりにしわが寄って歯茎を見せています。
楽しい時は、口元にしわが寄っていたり歯は見えていても歯茎までは見えていなくて、表情が険しくなく柔らかいです。
ポイントとしては、しわが寄っている場所と歯茎を見せているかで判断してもらうと良いと思います。
それでは、先ほどの犬が飼い主さんに対して威嚇をしている理由についてそれぞれ見ていきましょう。
恐怖によるもの
これは恐怖性/防御性攻撃行動という動機づけに分類されるもので、犬が恐怖を感じていたり、自分の身を守りたいと強く思った時に行う威嚇です。
犬が怖いと思っているものを持って飼い主さんが近づいてきたリ、飼い主さん自体を怖いと思っていると、恐怖の対象を近寄らせたくないために、威嚇をして追い払おうとします。
「くるな!」「それ以上近寄るな!」という気持ちで、頑張って威嚇をしているんですね。
この時点でも恐怖心はピークに達していますが、それでも近寄ってこられた場合、噛むという攻撃行動を起こしやすいです。
恐怖を感じて唸っている時は、体が震えていたり、しっぽが足の間に巻き込まれるほど下がっていることもあります。
恐怖を感じて唸っている時は、恐怖の対象を犬から離してあげる・恐怖の原因を取り除いてあげることが一番です。しかもできるだけ速やかに離してあげてください。
過去に、体罰を使ってしつけをしていた飼い主さんや、わざとではないけどトラウマになるほど痛い思いをさせてしまった飼い主さんなどに威嚇をしてしまいやすいです。
保護犬を迎えた最初のうちなども、飼い主さんに心を開いていないので、飼い主さんに対して威嚇をしてしまうことが多いかもしれません。
飼い主さんに恐怖を抱いてしまっている場合は、時間をかけるしかありません。
無理をせずに、威嚇をされないで犬に近づける距離を少しずつ縮めていき、怖くないということを示して信頼を取り戻すようにしてください。
優位性を示したい
飼い主さんとの関係が正しく築けなかった犬は、権勢本能が強くなってしまうので権勢症候群(アルファシンドローム)という心の病気になる傾向にあります。
簡単に言うと、群れのリーダーにならなきゃいけないんだ!と思ってしまうんですね。
リーダーは、群れのみんなに指示を出す立場ですから、飼い主さんの行動が良くないと思うと、威嚇をしてやめさせようとします。
子犬の頃から正しくしつけをしてあげられると、元からリーダーの資質を持っている犬でも、多少反抗的な性質を持っている犬でも、主人と認めた飼い主さんに従順に従うことができますので、決して犬が悪いわけではありません。
ちょっと言いにくいですが、これは飼い主さんに責任があると言わざるを得ないです。。。
犬が優位性を示す行動としてよくわかるのが「マウンティング」で、よくマウンティングをされるという飼い主さんは、残念ながら愛犬との関係を構築し直さなきゃいけません。
この場合は、ネットで調べたしつけ方法はおすすめできませんので、イヌバーシティかしつけ教室に通っていただいた方が良いと思います。
また、飼い主さんに八つ当たりとして威嚇をすることもあります(転嫁性攻撃行動)。
飼い主さんに優位性を感じている犬が、何か思い通りに行かなかったときに八つ当たりとして威嚇をするケースもあります。
よく間違えたしつけを信じている方に多いですが、「犬よりも下に見られているなんてなめられているから力で抑えつけて強いことを教えたほうが良い」とアドバイスをするのを見かけます。
噛まれたら噛み返せみたいなことですね。
犬と正しい関係になるためには信頼関係を築かないといけないのに、こんなことをしたらぶち壊しになりますし、痛みや恐怖では歪んだ関係しか築けないことはもうお分かりですよね。
荒わざのショートカットをしようとせずに、正しく関係を築く方法が分かっていれば修復は全然可能なので、諦めないでもらいたいと思います。
要求を通したい
この要求を通したいというのは、よくある「ケージから出してほしくて吠える要求吠え」というのとは違って、どちらかというと嫌なことをやめてほしいという拒絶の意味になります。
例えば、歯磨きを嫌いにさせてしまった犬に無理矢理歯磨きをしようとしたり、お風呂嫌いの犬を取り押さえてシャワーをかけようとしたときなどに、飼い主さんに威嚇をします。
愛犬に何かをしようとして威嚇をされたら、それは拒絶の意味合いが強いと思ってください。
他には、しつこくしたときなどにも威嚇をされることもあります。
犬は撫でられることが好きですが、いつまでも撫でていられると「しつこい!」と威嚇をすることもあるので、ちょうど良い時間を意識したほうが良いかもしれません。
子犬の時に、どこを触ってもいやがらないように慣らしてあると思いますが、それが十分ではなくて、やっぱり触られるのが嫌だと思った時も威嚇をしてやめてほしいという意思表示をします。
慣らし方も、いきなり長い時間触るのではなくて、徐々に慣らしていかないと子犬でも威嚇をしますので、徐々にすることを心がけてもらうと良いでしょう。
守ろうとしている
守ろうとしている対象によって対処方法が変わりますが、物に執着している場合は所有性攻撃行動という分類で、母性によるものなら母性攻撃行動になります。
物に執着している犬は、所有する欲が強く、それが食べ物に関するものだと食物関連性攻撃行動になります。
ご飯を食べている時に近づくだけで威嚇をするのは、ご飯をとられることに強く警戒している状態で、欲張りな犬ととられてしまうこともありますが…そうしたのは人間であることが多いです。
ペットショップで長く売れ残ってしまった子犬などはかわいそうに、早く大きくならないように最低限の量しかご飯をもらえないことも多いそうで、お腹がすいている時間が長かったがゆえに食べ物に執着する傾向にあるそうです。
また、ご飯を食べている時にご飯を取り上げられることがある場合も、とられまいとする心を育んでしまうので、食べ物に執着してしまいやすいです。
食べ物に対して執着してしまっている場合は、食べている間にご飯を追加するなどの方法がありますが、これはちゃんと実践する方法を詳しく知ってからやっていただきたいと思います。※噛まれる恐れもあるため
食べ物に対してではなく物に執着してしまうのは、犬がくわえているものを何度も強引に取り上げたりしたことが原因として考えられます。
犬社会では、くわえた物はその犬の物というルールがあります。
でも、人間社会では、飼い主さんのものなどを犬がくわえている場合、「これは遊ぶものじゃない」と取り上げてしまうこともあるでしょう。
この時、ただ取り上げるのではなく、「ちょうだい」「離せ」などのコマンドを教えておいて、犬に自分からくわえているものを渡せるようにしておくと、所有欲を刺激しないで済みます。
母性攻撃行動ですが、メスが発情したあと、妊娠をしていなくても母性が芽生えていることも多く、ホルモンバランスの変化が原因で、子犬を守るかのように近寄ってきた人を攻撃することがあります。
これは一定期間が過ぎてホルモンバランスが落ち着いたら自然と直るものなので、見守っておくしかありませんが、発情も犬にとってストレスになることではあるので、母性攻撃行動が強い犬は避妊などを考える良い機会かもしれません。
痛みがある
疼痛性攻撃行動といって、穏やかだった愛犬が突然攻撃的になった場合に疑ってもらいたいことです。
病気やケガなど、断続的に痛みやかゆみが続くと、攻撃性が増加します。
また、患部を触られたくないために、威嚇をして触らせない近寄らせないとすることがあり、急に威嚇をするようになった場合は、その前後の犬の様子を思い出して思い当たることがなかったかを見直してみてください。
犬は外傷があっても被毛に隠れて見つけにくいですし、外傷だけではなく関節炎や脱臼など見えない痛みもあります。
うずくまって動かない、下痢があった、発熱気味・呼吸が荒い・震えている・鼻の頭が渇いているなど何か他の症状が無いか確認し、気になることがあったらすぐに動物病院で診てもらってください。
犬は頭痛があるかはわかりませんが、脳に異常があって攻撃的になることもありますし、実は突然怒り出す病気というのもあります。
突発性攻撃行動と言って、これは痛みが伴っているのかどうかはわかりませんが、刺激や動機がなにかわからない状態で、他のいずれの攻撃行動にも当てはまらない場合は突発生激怒症候群(スプリンガー・レイジ・シンドローム)という病気もあります。
これに関してはあまり詳しいことが分かっておらず、脳の機能障害やてんかんの仲間と言われていますが、急に怒りだす病気です。
この病気は稀なので、いきなり怒りだしたからと怒る病気を疑う前に、他の理由を考えてみてもらって、どうしても思い当たらないという場合は、獣医さんに相談してみても良いかもしれません。
犬が威嚇をするときのしぐさに注目
犬が威嚇をするときは
- 相手をにらみつける
- 鼻のあたりにしわを寄せる
- 唸り声をあげる
- 歯をむき出す
- 体をこわばらせる
このような行動が見られます。
先ほど犬が飼い主さんに威嚇をする理由をご紹介しましたが、その中でも「恐怖によるもの」と「嫌なことをやめてほしい」と思っている時と、「優位性を示している」「守ろうとしている」時では、少ししぐさが違います。
優位性を示したり守りたいという積極的な気持ちの時は犬も強気になり、
- 低い唸り声を一定のペースで出す
- 耳を前方に向ける
- しっぽを立てる
- しっぽや背中の毛を逆立てる
- 歯茎までむき出す
このように、体の重心が前にかかっていて、一触即発の臨戦態勢の状態で威嚇をします。
逆に、恐怖を感じていたり、やめてほしいと思っている時は
- 高低の差がある唸り声を出す
- 耳を後ろに倒す
- しっぽを下げる
- 頭を低くする
- 相手から視線をそらす
など、威嚇はしているけど、できるだけその場を早く逃げ出したいという気持ちがあらわれているような様子で威嚇をしています。
怖がっている・嫌がっている威嚇の仕方である場合は、できるだけ早くその状況を改善してあげてほしいと思います。
怖いものや恐怖を感じるものがあっても、犬は自分で改善することはできません。
飼い主さんが愛犬をどれだけよく見ていられるか、犬をどれだけ理解しているかによって、飼い方が変わり犬が受けるストレスに差が出ます。
犬も、飼い主さんが素早く怖い思いをさせないように行動してくれると、自分を理解して助けてくれる人として飼い主さんを強く信頼するようになるので、愛犬のしぐさなどにも注目してあげられると良いと思います。
犬に威嚇をされたときにとる飼い主の行動
威嚇という行動はそれぞれの理由がありましたが、習性化していない状態の早期であれば比較的簡単に矯正をすることができます。
犬が飼い主さんに威嚇をしないで済む状況にしておいてあげるのが一番であり、飼い主さんを威嚇しなくても良い正しい関係が築かれているのが理想です。
そのためには、まず正しいしつけの考え方や実践のやり方を知って、トレーニングをしながらしつけを実践してもらえればと思います。
ただ、まだ飼い主さんと愛犬の間で正しい関係が築けていなくて、威嚇をされてしまった場合には落ち着いて対応をしていきましょう。
飼い主さんが興奮すると、それが犬に伝わって余計激しい興奮状態にしてしまうので、まずはどっしりとかまえて落ち着いて対応してもらうことが重要です。
痛みなどで威嚇をしている状態が一番危険ですので、まず注目することは体に異変が無いか?痛みから威嚇しているのか?というところです。
仕草や他の症状を見て、威嚇の原因が痛みではなく、また恐怖によるものでない場合は、基本的に犬の威嚇に対して無視をしていきます。
威嚇の状態というのは警告ですので、それが聞き入れてもらえなかった場合多くの犬が「噛む」という攻撃行動を起こします。
噛むスイッチを入れないように、犬を今以上の興奮状態にしないことを心がけ、犬を落ち着かせるためにも目を合わさず、声もかけないで無視をしてください。
その時の飼い主さんの気持ちとしては「その行動は正しくないから受け入れられないよ」と、毅然とすることです。
飼い主に威嚇するなんて!と叱りたい気持ちにもなるかもしれませんが、「叱る」というのは飼い主さんも興奮している状態になるため、犬の興奮を助長してしまうので無視が一番です。
ある程度犬の心理状態を推測したうえで冷静な対応をすることが望ましいのですが、推測するときに犬を擬人化しないようにし、犬の本能や習性を理解した上で気持ちを推測することを心がけてもらいたいと思います。
私たちは人間であり人間としての考え方があるので、そのまま犬の気持ちを推測するとどうしても擬人化した考えになりやすいので正直いうと難しいと思います。
ただ、ここで犬に対して正しい知識を持つことができていると、擬人化することなく正しい判断の元適切な対応をすることができるので、やはりこういうところでも犬を正しく理解するというのは必要なんですね。
犬を飼った以上は、一緒に楽しく生活をしていくために、犬をちゃんと理解して正しい方法でしつけをしていってあげることはお互いの幸せにつながります。
少しでも不安があったり、しつけが不十分だと感じられたら、こちらの記事からイヌバーシティの凄さをお分かりいただいて、早めに正しく実践をしていってもらいたいと思います。
最後に
最後までお読みいただいて本当にありがとうございました。
犬は、飼い主さんとの関係や飼い方によって、ストレスが増大して問題行動に繋がります。
さらに言えば、それでも事態が改善されなければ、さらにストレスを感じて手に負えないような問題行動にどんどん悪化していってしまいます。
- 安心して飼い主さんに頼れない
- 本来の行動がとれない(本能による欲求が満たせない)
- 怖いと感じるものがたくさんある
この3つが、犬のストレス3大原因で、飼い主として与えてはいけないストレスです。
飼い主さんに対して、威嚇をしてしまうというのはストレスがかかっている表れであり、問題行動への初期状態でもあります。
威嚇をするだけの時点で、愛犬の生活の質を向上させてあげられると、大変な問題に至る前に矯正することができるので、ある意味今がチャンスと言えます。
思い当たる行動はありませんか?
- 気分によって犬への態度を変えてしまうことがある
- 溺愛していて犬と離れている時間が短い
- 要求吠えなどに対応してしまう
- 子犬の時にほとんど家を出なかった
- 嫌がることも無理やりやってしまう
- 一緒に遊ぶ時間を作っていない
- 体罰をしてしまったことがある
- 何となくしつけをしている
- 犬を我慢させることがしつけだと思っている
- 悪ふざけで怖がっているものを近づける
- 犬からのメッセージを考えたことがなかった
- 縄張りとして守る場所が広い
- 威嚇をするのは犬が悪いと思っている
犬に冗談は通用しませんし、言葉で誤解を解くことはできません。
飼い主さんの「知らなかった・勘違いしていた」で、犬の生活や環境は大きく左右され、本来はお利口さんな犬になれるところを、手が付けられないほど荒ぶった問題犬にしてしまいます。
少し厳しい言い方をしてしまうと、飼い主さんを威嚇したり、問題行動を起こすようになってしまうのは、すべて飼い主さんのせいだとも言えてしまいます。
飼い主さんの行動や態度から、犬は飼い主さんを信頼しても良いのか学び、正しい行動に導いてもらうことで成功体験を積み重ねて、落ち着いた穏やかな犬になることができるということを覚えておいていただきたいと思います。
でも、人間の私達がしつけをしようとすると、どうしても犬社会のルールを無視した形になりやすく、正しい行動に導くというのは難しいことです。
ネットで調べた情報では、問題行動に対する対処法だけで、トータルでしつけをするために必要な情報がないので、しつけが後手後手になって、犬も飼い主さんも疲弊しやすくなります。
本来はペット先進国の欧米のように、犬を飼う前に犬についての知識や考え方しつけの仕方の講習を受けることを義務化できれば、犬の行動で悩まなければいけない状況を避けられるかもしれません。
ですが、日本でそのような法律が作られるか?というと、まだまだ先のお話になると思います。
こんな長いコンテンツを最後までお読みいただいた熱心なあなたには、愛犬との生活を楽しみ、威嚇もしないで良い犬と幸せいっぱいで暮らしていただきたいと強く思っています。
まだ子犬であれば、本当に今が良い機会ですし、成犬だったとしたら今後起こり得る問題行動に素早く対処したり、そもそも問題を起こさなくても良いように準備を始めておいてもらえればと思います。
あなたと愛犬がストレスを感じることなく、いらないお悩みでお困りになることが無いことを、心の底より願っています(^人^)
初めての方にお手続きのご不安を解消させていただくために「ご購入までの流れ」をご用意しております(^^)